ディジタル通信

各章で学ぶべき内容を設問にまとめました.事前に問題を熟読の上,回答を考えてから講義に臨み,講義後に正答できるようにしましょう.(解答はここでは提示しません.)

Q1

ディジタル通信システムの必要性

  1. 一般的な情報伝達システムにおけるメディアにはどのようなものがあるか挙げよ.
  2. アナログ量とディジタル量の違いを例を挙げて説明せよ.
  3. ディジタル通信の利点を説明せよ.(ヒント:単にディジタル化の利点とは違う)
  4. 優美縮退について説明せよ.
  5. ディジタル通信とはどのような通信を指すか説明せよ.
  6. ディジタル通信を用いて送る情報にはどのようなものがあるか例を挙げよ.

Q2

ディジタル通信システムの概略

  1. 情報源符号化における二つの代表的なデータ圧縮の種類について説明し,それぞれどのような場合に用いるのが適切か説明せよ.
  2. 一般的な通信路において,データの誤りを起こさずに通信をすることは可能であるか.また,その理由を説明せよ.
  3. 通信路符号化を行うと実質の情報伝送レートが低下するが,その理由を述べよ.
  4. ベースバンド信号とは何か.また,どうしてそう呼ばれるのか説明せよ.
  5. 無線通信システムにおける変調において最も重要な役割だと思われるものは何か.
  6. 周波数が1 [GHz] の信号の波長は何メートルであるか.
  7. 中間周波数(IF)信号とは何か.
  8. IF信号を使わない方式を何と呼ぶか.
  9. 無線周波数(RF)信号とは何か.
  10. 高速通信の実現には,有線方式と無線方式のどちらが有利か.理由とともに述べよ.

Q3

信号表現の基礎

  1. 単一周波数をもつ信号の数式を角周波数と周波数を用いて2通りで表現せよ.また,直流信号はどのように表せるか.(それぞれ用いた変数の意味を忘れずに記入すること.)
  2. フーリエ級数展開で扱う信号はどのような信号か.
  3. 負の周波数の意味を説明せよ.
  4. 周期信号の周波数スペクトルはどのような形状で表せるか.
  5. 一般的にフーリエ変換は信号のどのような特性を知るために利用するものなのか説明せよ.
  6. 信号の電力とエネルギーの違いを説明せよ.

Q4

ディジタル信号の基礎

  1. 信号を標本化するとき,どのようなことに気をつけねばならないか説明せよ.
  2. 二つの信号を乗算したとき,その周波数スペクトルはどのように表せるか説明せよ.
  3. PAM信号とはどのような信号か説明せよ.
  4. 量子化誤差とは何か.
  5. 20 [kHz]でサンプリングし,8 [bit]で量子化を行ったステレオ音声のPCM信号のデータレートを求めよ.

Q5

ディジタル変調の基礎

  1. s(t ) という信号を用いて,c(t ) という搬送波を変調し,d(t ) という信号になったとき,変調信号は s(t ), c(t ), d(t ) のうちどれか.
  2. OOKで変調された信号の包絡線はどのような形になるか説明せよ.また,FSKで変調された場合はどうなるか.
  3. QPSKで変調された信号とBPSKで変調された信号のデータレートが,どちらも20 [kbps] であった場合,二つの信号の占有帯域幅はどのような関係にあるか説明せよ.
  4. 上記二つの信号が,どちらもシンボルレート=10 [k symbol/sec]であった場合には,占有帯域幅とデータ速度の関係がどうなっているかを説明せよ.

Q6

復調の基礎

  1. 復調において,同期検波とはどのような操作をして信号を取り出すことを言うか.
  2. 復調において,等価低域信号とは何か説明せよ.
  3. 変調において,グレイ符号化を用いる利点を説明せよ.
  4. グレイ符号化8PSK信号の信号点配置および対応するシンボルを描け.ただし,初期位相は 0 [rad] とする.
  5. グレイ符号化QPSK信号と非グレイ符号化QPSK信号では,どちらがビット誤り特性に優れるか説明せよ.
  6. ディジタル変調でPSK方式が最も使われている理由を考察せよ.

Q7

通信路の性質と復調性能

  1. AWGNとは何か説明せよ.
  2. パーシバルの定理について説明せよ.
  3. エルゴード過程とは何か.
  4. AWGN信号の平均電力をAとするとき,AWGN信号の電力スペクトル密度をAを用いて描け.
  5. 雑音の電力が一定のとき,信号のSN比が 3 [dB] 小さくなると信号の電力はどのようになっているか.
  6. AWGN環境において,BPSKとQPSKのビット誤り率が等しくなる理由を説明せよ.
  7. 次のグラフを利用して,受信器でのビット誤り率を10-5以下とするための最小搬送波電圧を求めよ.ただし,変調方式はBPSK,シンボル時間は1 [μsec],受信器での狭帯域ガウス雑音の電力スペクトル密度を2 [mW/Hz]とする.


Q8

移動通信における通信路

  1. マルチパス通信路とは何か説明せよ.
  2. フェージングとはどのような現象を言うか.信号点配置への影響の観点から説明せよ.
  3. フェージング通信路で,PSK信号を復調するためにはどのような操作が必要となるか考察せよ.
  4. フェージング通信路においてダイバーシティ受信方式は有効な手段であるが,その理由を考察せよ.

Q9

多重化と多元接続方式

  1. 電話機は全二重,半二重どちらの方式が使われているか考察せよ.また,FAXの場合はどうであるか考察せよ.
  2. 携帯電話の基地局が各ユーザ端末に信号を別々におくるには,多重化と多元接続のどちらが必要か.理由とともに述べよ.
  3. 各種多元接続方式の利点と欠点を考察せよ.
  4. ソフトハンドオフが有効である理由を述べよ.
  5. FDMAやTDMAでソフトハンドオフを実現するためには何が必要となるかを考察せよ.

Q10

スペクトル拡散通信の基礎

  1. スペクトル拡散通信が広帯域通信となる理由を原理とともに説明せよ.
  2. DS方式で,各ユーザ信号を分離できる仕組みを説明せよ.
  3. FH方式で多元接続が実現できることを説明せよ.
  4. スペクトル拡散通信が狭帯域の干渉信号に耐性がある理由を説明せよ.

Q11

誤り制御技術の基礎

  1. データ通信において誤り制御が必要となる理由を述べよ.
  2. 回線交換,パケット交換について,それぞれどのようなデータを通信する場合に適しているか述べよ.
  3. 8PSK信号の最小ハミング距離はいくつか.
  4. ARQ方式について説明せよ.